第10章 リトルディト
「ちょっと!つむぎちゃん」
騒ぐ及川先輩。
「よ、ヨロシクオネガイシマス」
きゅっと手を握ってトビオちゃんが云う。
「血が飲みたいなら及川先輩のいない所で…」
こそっと顔を寄せて云えばトビオちゃんは素直に頷く。
何か可愛い。
目つき悪いから怖い子なのかと思ったけどそうでもないのかも。
携帯の連絡先を騒ぐ及川先輩を無視して交換する。
「じゃーね、飛雄」
私達が仲良くするのが気に入らないのか及川先輩はげきおこだ。
「またな、つむぎ」
及川先輩にならったらしく名前で呼ばれ何かちょっとときめく。
「またね、トビオちゃん」
トビオちゃんて名前かな?
後でラインで聞いてみよう。