第10章 リトルディト
私達は別れる。
「何飛雄と仲良くしてるわけ?襲われかけたのに」
「実際には襲われてないので」
じゅうっと野菜ジュースを飲みながら及川先輩を見上げると彼はうっとつまった。
あなたは襲いましたもんね。
取り敢えず及川先輩は家まで送ってくれた。
何事もなく。
「あの。大したお構いも出来ませんがお茶でも…」
私が云うと、ぽん、と私の頭をたたき及川先輩は笑う。
「いいよ。それよりゆっくり休んでね、はーなーよーめーさんっ♪」
楽しそうに及川先輩は云い私を撫でた。
「気持ち悪いです」
「つむぎはほんと正直だよね!」
私達は笑いあった。
やっぱり何かいけすかないけど…及川先輩って悪い人じゃないんだな。
ナンテ思い直した一日でした。