第10章 リトルディト
「あ、カノジョさんですか?」
雑誌を立ち読みしていた彼は私に向き直りペコリと頭を下げた。
うへええ!
彼女という言葉に心底鳥肌が立つ。
「ちがいm「そ、彼女。かわいーでしょ」
トビオちゃんを挑発するみたいに私の肩を抱き寄せて、ペロリと首筋を舐める。
それで何やら意味をくんだらしい彼は表情を険しくする。
ってコトはこの子もバンパネラなのかな?
「だから覚悟しといて、飛雄」
及川先輩の言葉にトビオちゃんはぎゅっと眉を寄せた。
「つむぎちゃん何飲む?」
「野菜ジュースで」
そんな会話をして及川先輩は私から離れた。
ふうとため息をつき、私はトビオちゃんに一礼してコンビニから出た、…だけど、彼もついてきた。