第10章 リトルディト
「いやです。私、忙しいので」
又草むしりを再開する。
すると及川先輩も私の隣に座りむしむしと草を抜き始めたではないか!
「ちょっと!だめです!及川先輩セッターなんですよね?大事な手で何してるんですか!」
「一応そこは心配してくれるんだ」
「それは…まぁ」
云うと、及川先輩はにっこり笑う。
「ありがとね、つむぎちゃん」
うっ、悔しいけどかっこいいってゆうか、か、可愛い?
何か、不覚にもきゅんてしてしまった。
「ね、だからさ、つむぎが帰らないと俺が手伝わないといけないからさ、帰ろ?」
もしかして、体調を心配してくれているのだろうか?
「国見ちゃんとかマッキーが良かった?」
及川先輩の言葉に私は思い切り首を振った。
国見くんコワイです。
後花巻先輩セクハラしてきそうだからやです。
「じゃ、及川さんと帰ろ?」
私は頷いて手を洗いに行くことにした。