第9章 チャンス到来
「はぁ良かったぁ…」
華楓は遠征がかかったテスト勉強の相手が見つかり一安心していた。
「…さてと。やるか」
そう華楓が呟いて取ったのはギター。
「この状況ツッキーに見られたらめっちゃ怒られるだろうな。『君遠征行かなくていいわけ?』って待ってちょっと今の似てない?」
誰もいない家の中で1人盛り上がる華楓。
「…なんか寒気が…」
「どうしたのツッキー!?風邪ひいたの!?」
「黙れ山口」
「ごめん、ツッキー☆」
その頃月島と山口は2人でこんなやりとりをしていた。
「まぁ勉強は学校とかライブ終わってからでなんとかなるだろ!」
ヘラヘラしていたのもつかの間。携帯が再び鳴った。
「電話?あ、LINEか…」
華楓のLINEに1件のメッセージが来た。そこに書いてあったのは
[宮城に行く準備完了!]
相変わらず暇だなぁ…
呆れつつも半分笑いながら返信をしようとした時、家の玄関の方から音がした。
「ただいま華楓!今日1人って聞いて及川さん飛んできちゃったよ!」
「クズ川馬鹿なこと言うな。普通に姉貴に頼まれただけだろうが」
香奏の代わりを任された及川と岩泉が華楓の家にやってきた。ちなみに岩泉も香奏のことを姉扱いする。
「ごめんね2人とも。香奏多分彼氏と仲直りして食事にでも行ってんだと思う」
「あ、やっぱそーゆー感じ?」
及川が予想通りだったような顔をする。
「まぁね、いつものことだから」
そう言った華楓の携帯にまたメッセージが届く。
[待ってるぞ]
[スタンプ]
そのスタンプはグッドをしていた。
「華楓ー!ちょっと手伝ってくれない?」
台所から華楓を呼ぶ及川の声が家中に響いた。
「OK!今行くよ!」
携帯の画面を切らずに及川たちのいるキッチンに行った華楓。そしてその携帯の画面に出ているのは先程まで見ていたトーク画面。そのグループ名に書かれている名前は
SPiLL MiX -スピル・ミックス-