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【ハイキュー】エンノシタイモウト第三部

第20章 【外伝 及川の企み】


青葉城西高校男子バレーボール部部室にて及川徹はスマホを見つめてへえと笑っていた。

「何ニヤついてやがんだ気持ち悪い。」

見つけた岩泉一が早速斬り込む。

「美沙ちゃんがさ」
「あの半分ボケがどうした。」
「部活入ったんだってー。」
「ほう、意外じゃねえか。まさかバレー部ってこたないだろうな。」
「パソコン部だって。」

岩泉はたちまちのうちに顔が引きつる。

「また濃ゆそうなとこ行きやがって。まあ似たよーな仲間がいそうだけどよ。」
「凄いよ、わざわざ向こうが美沙ちゃんの噂聞いて勧誘してきたんだって。」
「あいつは烏野でどうなってやがんだ。」
「あんだけスマホに自分が便利なようにってアプリ入れてパソコンで動画作って軽度のトラブルなら対応できるような子だもん、そりゃ噂になるんじゃない。」
「むしろスマホケース常備なのが一因って気がしてならねえ。」
「しかもだよ、」
「まだ何かあんのか。」

岩泉は着替えつつ面倒くさそうに呟く。

「パソコン部の人、縁下君とこにも許可取りに行ったんだって。」

しれっと抜かす及川、岩泉は古臭いギャグ漫画ばりにひっくり返った。

「何でそこで烏野6番が出てくんだっ。」

ガバッと飛び起きて怒鳴る岩泉、はたで聞いていた他の連中のうち縁下力・美沙の義兄妹を知る者達も何だと、と興味を向けている。

「お兄ちゃんが男ばっかの部活に妹行かせるの渋ったんだって。縁下君てば相変わらずだねぇ。」
「あいつは何だって妹絡むと極端な阿呆になりやがるっ、んな事言ってたらてめーんとこの女子マネはどうなるってんだっ。」
「話が別なんじゃない。美沙ちゃんが他の部にいたら自分の目が届かないもんね。」
「烏野の誰もあいつを病院に入れねーのかっ。」

あまりの事にガーガー喚く岩泉、国見がボソッと言う。

「旦那と嫁どころか親父と娘になったのか。」
「国見よせって毎度毎度。」
「金田一はもう少しそういう事を考えろよ。」
「まぁ確かになぁ」

うわぁってな調子で矢巾も話に参加した。

「話聞いてる限りそのパソコン部の人、まるっきりお嬢さんをお嫁にくださいみたいな事してるもんなぁ。」
「でもよく気が付いたな、」

ここで渡が感心する。
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