第19章 【フラグ回収】
力は苦笑してところで、と珍しく端っこでコソコソしている約2名に目をやる。その2名は力の視線を感じた瞬間ギクーッという反応を示した。
「お前らのせいでパソコン部の人が俺んとこに来てえらい目に遭ったんだけどどういう事だ。」
「え、縁下よ、俺らは別に他意はなくてだな、」
「まんま言っただけだぞっ、力は美沙大好きでいっつも心配してるから先にそっちから許可取った方がいいって。」
「滅茶苦茶余計な情報が入ってるじゃんっ、それじゃ俺が何かおかしい人みたいだろっ。」
叫ぶ力に珍しく無表情の成田が今更何をという視線を向けるが力はそれどころではない。
「ああもうっ、俺パソコン部にどう思われてんだろ。」
「心配すんな縁下、その辺はおめえの妹がどうにかするって。あいつ兄貴悪く言う奴に容赦ねえじゃん。」
「元凶に言われて安心できるか阿呆。」
「えっ、縁下さんが阿呆って言ったっ。」
日向が驚く。
「ままコの関西弁恐るべしだな。」
「まあ言葉って伝染しやすいよね。」
どこかずれた感想を述べる影山に乾いた笑いで付き合う山口、最初に珍しく喚いた月島はやってんらんないと言わんばかりに背中を向けている。
「美沙ちゃん相変わらずモテモテね。」
用品を引っ張り出しながら清水が笑う。一方力は田中の坊主頭をじょりじょりやってから西谷の両頬をシビビビと引っ張っている。
しばらく力はそうしていて成田と木下が止めに入るまで男子排球部の部室では田中の縁下俺らが悪かったってという声と西谷のひはらやへろいででででという声が響いていた。
当の美沙は入部届をパソコン部に受理され、早速趣味が被っている野郎共に馴染みつつあった。
次章に続く