第19章 【フラグ回収】
1-3から影山が、1-4からは何と月島が突撃してきた。美沙はそっちに構っている場合ではない、パソコン部の奴に手を握られブンブンされている。じゃあまた入部届けよろしくと言われた。出すつもりは満々だったが突撃されるわ義兄の許可を得てきたなどと言われるわいつかのように勝手に手を握られるわとパニックである。パソコン部の奴は嬉しそうに去っていき、後にはパニックがおさまらない美沙とヒイイイと顔面蒼白の谷地とその他1-5のメンツ、そしてうるさいと文句を言いに来たが別の方向で揉め始めた影山と月島が残された。
そして例の如く放課後、男子排球部の部室である。
「縁下さんっ、どーゆー事なんですっ。」
珍しく来ていきなり喚く月島に力はきょとんとした。
「え、何が。」
言いつつも聞くまでもない気もした。
「ままコさんが昼休みにふぎゃあとか叫んで1-5がめっちゃうるさかったんですけど。」
「まあまあツッキー、落ち着きなって。」
「ええとごめん、流石に状況がわからないん、だけど。」
ここで谷地が実はですねと事の次第を話す。たちまちのうちに力は頭を抱えた。
「縁下んとこへ突撃して更に美沙ちゃんとこも来たか。旭が言ったの当たったなー。」
はたで聞いていた菅原がほへーといった調子で言う。
「ったく旭ー、今度は一級フラグ建築士でも始めたのか。」
「スガ、何言ってるかわかんないんだけど。」
「菅原さん、そんなネットスラングどこで覚えたんです。というか旭さんの場合はそっちじゃないと思います。」
「ああそっか、そっちは美沙ちゃんか。」
「やめてくださいっ。」
力は叫んでまったくもうと呟く。
「しかしパソコン部やりおったか。」
「感心しないでくれ、木下。」
「谷地さんも月島もお疲れ。うちのクラスも大概だよ、縁下がまるっきし親父モードだったから。」
「成田さんには最近同情を禁じ得ないですよ。それより俺としては王様がうるさかったのがアレですけどね。」
「なんでお前らは被るとかなんとかでぶつかるんだよ。」
呆れる菅原にでも、と澤村が口を挟む。
「いいんじゃないか、美沙さんにも似たような趣味の仲間が出来そうで。」
「大地さんは流石ですね。」