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【ハイキュー】エンノシタイモウト第三部

第12章 【電脳少女、偵察に行く その2】


「ウシワカと面識あるんなら見つかっても別にいじめられたりしねーって。」
「まあうちの美沙は半分ボケだし向こうは天然ボケだけどさ。」
「おお、縁下がウシワカを天然呼ばわりしておる。」
「力は美沙が絡むといつも以上につえーな。」

無駄に感心する田中と西谷、そこへ更に木下がハッとした顔をする。

「木下、どうした。」

力が尋ねると木下はいやさ、と続ける。

「半分ボケの美沙さんに日向と影山、そこへウシワカも天然ってことは」
「うん。」
「突っ込み役が全然いねーよな。」
「つまり」
「話すとどんなやりとりになるんだろ。」

力は固まった。

「やめろ、考えたくない。」
「まあ十中八九収拾がつかないだろうな。」

成田が言った。

「ボケ×3.5だろ。美沙さんの0.5の突っ込みがどう発動するかによるけど。」
「発動率はどうだろ、縁下がいねえからいつもよりアップかな。」
「どこぞのゲーム攻略かよ。とりあえずスキルの発動率みたいな扱いはやめてくれ。」
「縁下よ、おめーますます例え方が妹に似てきてっぞ。」

田中に言われて力はうっと唸る。

「力、ホント美沙大好きだなっ。」

西谷がとどめを刺した。

また戻ってこちらは白鳥沢に入り込んだ美沙、日向、影山である。

建物周辺には人がおらず、出入り口のドアは少しあいていた。日向と影山は早速覗き込む。

「すっげー。」

日向が静かに感嘆の声を上げ、影山が無言で興奮している様子を見せる。美沙は座ったり立ったりしながら外の人影に注意していた。今の所問題はない。日向と影山に背を向けて敷地広いなーと思いながら辺りをゆっくりと見回す。開いたドアの隙間からはバレーボールが床に当たったらしき音、シューズが擦れる音、かけ声が聞こえる。指導者らしきおっさんの声が聞こえた時美沙は何となく烏野も大概烏養さんが容赦ないけどここはもっとごついなと思った。義兄が一度練習から逃げた時は現コーチの祖父が監督だったと聞いた、似たようなノリだったのだろうか。

「うう、くそーやっぱでかいやつ多いな。」
「おう。」

日向と影山はなおもヒソヒソと言い合っている。今の所喧嘩になる気配も誰かに見られている様子もなさそうだ。無事に帰れるかなと美沙は思ったがそれはフラグでしかなかった。
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