第1章 【3度目の始まり】
「縁下さん、美沙がどうかしたんですか。」
「やあ日向、何でもないよ。」
「ままコなら今日昼におにぎり買ってるの見ましたけど。」
「影山、それホントかい。」
「うちの学校でスマホケース下げてウロウロしてるのあいつくらいだと思うんで多分。」
「足りないなら母さんに言ってご飯増やしてもらえばいいのに。後で言っておこう。」
「ままコさんはまたですか。学習能力があるんだかないんだか。」
「ツッキー、まあまあ。あ、チワース。」
まあこんな風に縁下美沙は話題にされて義兄が弄られるもとになったりするような個性的な義妹ではあるが縁下力は先にも述べたように大変に気に入っていてただでさえ半分ボケの箱入り娘を鍵付きの箱に入れる気かと思うくらい過保護にしている。おまけに兄妹は想い合い依存しあった末に一線も越えていた。
そんな義兄妹の話がまた始まる。
次章に続く