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【ハイキュー】エンノシタイモウト第三部

第6章 【兄シャツ】


「お前こそ俺をポイしないでくれよ。」
「せえへんもん。そもそも兄さんをポイするような人ってどんなん。」
「多分だけど世の中には色んな人がいるから。」
「私はちゃうもん。」

ああそうだったと力は笑う。

「ところでついでにお願いがあるんだけど。」
「何。」
「あれも着てみて。」
「えーと。」

美沙は戸惑ったように力を見つめる。

「皺(しわ)いっても知らんよ。」
「羽織るだけでいいから。」
「兄さんあの、そもそもは私がこないな事したんが原因とは言えその、どないしたん。」
「俺だって癒しが欲しい。」
「またおかしな事言うてる。」
「じゃあこれ。」
「強制かっ。」

突っ込みつつも美沙は着ていた力のTシャツを脱ぎ、渡されたものを羽織った。

「うん、これもありだな。」
「そぉ。」

力はうんと頷き、自分の制服のシャツを羽織ってベッドにペタンと座る美沙を満足げに見つめる。

「あ、まだそのままいて。」
「何でスマホ出してるんよっ。」
「いいだろ、1枚くらい。」
「イヤやーっ。」
「はい、逃げない。逃げるってんなら」
「なら」
「動画で撮るよ。」
「それもっとあかん奴っ。」
「赤葦君がいないのが残念だな、きっと上手に撮ってくれたと思うけど。」
「撮り手の問題ちゃうーっ。」

わあわあ言う美沙、しかし力は聞くつもりがない。

「いじわるばっか言うて。この洗い替えしわくちゃにしてまうよ。」
「出来るならやってみな。後で胸が痛むのは誰だろうな。」

義妹にはこういう手が有効だ。案の定うーと美沙は唸り、しばし沈黙する。

「動画は絶対嫌や。」

少し考えたのだろう、義妹は言った。
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