第33章 【その後の大騒ぎ】
言うと菅原は違うってーとニヤニヤ笑う。力は嫌な予感しかしない。
「妹を嫁にしますって。」
投下された爆弾発言に第二体育館が一瞬静まり返った。
「ななななな何を言いだすんですかっ菅原さんっ。」
「えーだってどうせ言うなら昨日のうちだったんじゃないの。」
「スガ、よしてやれって。縁下困ってる。」
「旭は今は黙ってて。で、どーなの縁下。」
「誰がそんな馬鹿な事言うんですまだ早すぎますからっ2人とも大目玉くらうの必須ですよっ。」
「つまり早くなかったら報告するのな。」
「煽らないでくださいっ最近どうなさったんですっ。」
「だって見てるとイジイジするんだもんよ、早くしないと今度こそ及川に持ってかれるぞー。」
「あの人にやってたまりますか。」
「成田、縁下から何かはみ出た。」
「クロノシタと名付けよう。」
「成田やめろ変なあだ名つけるなっ。」
「縁下この野郎っ、半分羨ましいっ。」
「田中は何言ってんだっ。」
「うるせえええっ、てめえ妹貰ったなどと言いながらその実貰ってんの嫁じゃねえかあああああっ。相手がお前らじゃなかったら怒りで燃え尽きとるわあああっ。」
「そーだそーだっ畜生ぉっ、俺も嫁欲しいっ。」
「うちの美沙を誕生日のプレゼントかなんかみたいな扱いするな馬鹿つかもういっそのこと2人共消し炭になっとけよ。」
「何だと力っ、てめーっ。あっ久志離せえええっ。」
「ぐおおお、成田おめーもかっ。」
「縁下をおちょくるのはともかく食ってかかるのはみっともないからやめて。」
「いやおちょくるのもやめさせてくれよ。」
「ススススガ、お前のせいでえらいことに。」
「ん、俺は事実言っただけだぞ。」
朝からこれは酷い有様である。
「式はどっちでやるのかな。」
清水が呟く。
「美沙さんは着物もドレスも似合いそうですね。」
若干テンション高く谷地が言い、山口がうーんと唸る。
「着物はやめた方がいいと思うけどね。」
意外にも月島が話に参加した。
「何で。」
日向が尋ねると月島はだってと呟く。
「着物で縁下さんと2人で写真撮ったら戦前の結婚写真みたいなことになるじゃん。」
山口も日向も黙って聞いていた影山もうっかりブブーッと吹き出した。力に聞こえなかったのは幸いである。