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【ハイキュー】エンノシタイモウト第三部

第33章 【その後の大騒ぎ】


そんな田中か西谷が見たらガルルルと唸りそうな甘い夜を兄妹で過ごした翌日、男子排球部朝練での事である。

「おはよーございますっ。」

元気な声で谷地が第二体育館にやってくる。

「あ、谷地さんおはよう。」

他の奴がバラバラ反応する中力も応えると谷地は早速力の所に飛んでくる。

「縁下さん、あの後お二人共無事でしたかっ。」
「あ、ああ無事だよ。事を話したら親はかなりびっくりしてたけど、美沙からしたらやっと隠されてた事が明るみに出て良かったってとこかな。滅茶滅茶疲れてたけどね。」
「そーでしたか。」
「谷地さんは。」

聞き返す力に谷地はいやぁアハハと苦笑する。

「うちもお母さんが固まっちゃいまして。滅多にない事なんで逆に私がびっくりしちゃいました。」
「へえ。」
「その後すぐ復活してあの野郎次会ったらただじゃおかないとかなんとか言ってましたけど。」
「さ、流石だね。」

あの谷地円ならそんな発言をしてもおかしくない気がした。

「でも私ホント良かったです。美沙さんと縁下さんが離れ離れにならなくて。」
「ありがとう、谷地さん。」
「でもさ、」

話が聞こえていた木下が口を挟む。

「美沙さんのホントの親父さんは何がしたかったんだろな。」

成田もうんと頷きこう言う。

「何か言いたい事言ってかき回すだけかき回して帰ってった感じがしないでもない。」
「それなんだけど」

力は言った。

「後で考えたら俺も美沙もあの人に試されてた気がするんだよな。」

怪訝な顔をする木下と成田に力は続ける。

「美沙に会いに来たのも本当なんだろうけど、万が一美沙がうちで幸せじゃないようなら本人の同意の上で連れてこうって考えてたんじゃないかって。結構マジで。」

うっかり言えば両親がそれも特に美沙を溺愛している母が半狂乱になりそうなので家では言わないけれど。

「でも美沙も俺も嫌だってはっきり言ったからあっさりひいたって感じがしてしょうがない。」
「お、おう。深いな。」

木下が冷や汗を流しながら呟き、横では成田がふうんと言う。更に菅原が首を突っ込んできた。

「そーそー、ところでお前ら親御さんには報告したの。」
「美沙の親父さんに出くわした以外に報告する事なんて思いあたりませんけど。」
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