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【ハイキュー】エンノシタイモウト第三部

第31章 【義兄、危機一髪】


はははとまた美沙の実父は笑う。どこまでも君は面白いと呟いてから彼はこう付け足した、だから今日来たんだよと言う。

「お父さん。」

疑問形で言う美沙が力の腕の中で首を傾げた。美沙の実父はそっとそんな美沙に近づき軽く頭を撫でて言った、スマホもパソコンも大事に使ってくれてるんだな。
力はハッとし美沙もまた目が丸くなった。

「お父さん、もしかして」
「そういうことでしたか。」

力は呟いた。不思議だとは思っていたのだ。祖母と2人暮らしだった女の子がどうやってあれだけのスペックのパソコンやスマートフォンを持つことが出来たのか。

「ありがとう。」

美沙がやっと実父に向かって微笑む。実父はここで初めて表情を変えた。一瞬うっとなり早口で逃げたんだからせめてそれくらいはねと呟く。その反応は力から都合の悪い事を聞かれたときの美沙によく似ていて途端に張り詰めていた空気が緩んだ。

「なるほど、縁下妹のリアル父なだけあるな。都合悪い事聞かれた時のリアクションがよく似ておる。」
「美沙はその前にふぎゃああっだけどなっ。」
「ちょおっ、先輩方っ。」
「大丈夫だよ、美沙。田中、西谷、お前ら国語の小テスト。」
「ほぎゃあああああっ。」

美沙の実父はそんなやりとりを見て今度は本当に笑っていた。


そうして力は美沙の実父に良かったらうちによってほしいと言った。しかし美沙の実父は縁下夫妻には会わないと言う。本当に美沙と少し話したかっただけでそれは達成されたからもう帰ると言うのだ。

「お父さん。」

呟く美沙に実父はこれからも元気でなと言う。

「うん。お父さんも。」

実父は人の良いところも似たなと呟き、今度は力に言う。美沙を頼んだよ、ご両親にもよろしくと。

「もちろんです。」

力は請け合った。

「ずっと大事にします。」

美沙の実父は安心したように笑い最後に清水に護られていた谷地に目をやり言った、円さんにもよろしくと。気の毒な事に谷地は大変動揺し、ららラジャーであります上官殿っと謎な返答をする。
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