第24章 【ラーメン食べたい】
「おめえまでクソ川に面倒くさいネタ与えんな。」
「すみません、流石にあそこまで反応するとは思わなくて。」
言っていると美沙が兄さん助けてーと言い出す。見れば及川がまたドサクサに紛れて美沙に抱きついていた。
「あんっのクソボケ川っ、またかっ。」
「美沙、待ってな。」
力は慌てて駆け寄り、やや強引に及川から美沙を引き剥がす。
「チェッ、素早いでやんの。」
「何度も申し上げますが勝手に抱きつかないでください、うちの美沙はぬいぐるみじゃありませんよ。」
「フーンだ、自分はお人形みたく扱ってる癖によく言うよねー。」
「クソ川、みっともねえ返しをすんな。それに人形扱いは大分脱してるだろ、本人がやりたいっていった部活にちゃんと行かせてんだしよ。」
「最近2年仲間から美沙の自立を促せとか言われてまして。」
「何だ、育児指導でも受けてんのか。」
「あの、岩泉さんまで勘弁してください。」
「兄さん、私は結局何(なに)ポジションなん。」
「妹で彼女で娘だよね、ね、縁下君。」
「岩泉さんが及川さんをどつきたくなる理由が何となくわかった気がしました。」
「ひっどっ。美沙ちゃーん、」
「ちょっ、今日はもう私の方には来(こ)んといてっ。」
「明日以降ならいいの。」
「そーやのうてっ。」
「美沙、お前はもっとこっちおいで。」
そうやってなんだかんだと言いながら少年少女は途中まで一緒に帰った。