第2章 ハンター試験
「おーい!君、新人だろ?俺はトンパっていうんだ。」
ぼーっと隅に座っていると三十代半ばの男の人が話しかけてきた。私はチラッと見ると、
「いやー人形みたいで可愛いね。あ、俺もうこの試験何回も受けててさ、分かんないことがあったら何でも聞いてくれよ!ここにいる奴ら悪いやつばっかだからさ!」
と、途端に饒舌になる。
「…………………」
「あ、俺は全然そんなことないぜ?俺は女の子には優しいんだ。俺と一緒に居れば君も必ず合格す………」
「ねぇ、このジュースもうないの?」
突然割り込んできた銀髪の私より年下っぽい男の子。
「…………ちっ、ほらよ。あと、二本はおまけだ。餓鬼はあっちいって………」
目の前でごくごくと飲み干す男の子に驚愕するトンパと名乗る男の人。
「俺は毒じゃ死なないよ。」
トンパに言い放つ男の子。
「なっ!?ち、違うから!こんな餓鬼の言うことなんて……」
「ぷぷー!!」
もう限界だった。今までの猫かぶりを殴り捨てるかのように笑い転げた。
「いやーおっかしいおっかしい。そうやって何人も落としてきたんでしょ?こわいなーもう。だけど残念ー、私はおっちゃんに騙されるほど馬鹿じゃないし、アホマヌケでもないんだー。ぷぷっー!!まぁ、どんなマヌケでもトンパさん……だっけ?あんたのさっきのマヌケあほ面に勝るもんはないと思うけど。ぷっぷっぷぷー。残念無念また一昨日!」
先ほどアホ面よりさらにアホな顔になるトンパにベロをだして私は銀髪の男の子の手を引いた。