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【短編集】ILY【R18】

第6章 手を伸ばして2*グリムジョー


「…簡単だ。自分の地位を高めようって魂胆だ。」

「あ!なるほど…でも、あの人、充分強くなかったですか?」

美人で強くて優しくて…理想の女性像の体現者なのだから、そんな姑息なことしなくても…と思っていると、ベットの上に座り直して彼が説明を続ける。

「お前は十刃じゃねぇし、十刃には遥かに及ばねぇ雑魚だ。」

「え!?別に知ってましたけどいきなり悪口って…」

「いちいちわざとかよお前は…とりあえず聞いとけ。…お前からしたら、あいつは強いのかもしれねぇ。が、俺からしたらあいつも雑魚だ。」

「そんなにですか?」

「奇跡的に十刃入りしてもせいぜいNo.10かNo.9だろう。しかも三日天下のな。」

十刃は強いが仲が悪い。その上十刃の座を狙って殺し合う輩が絶えない。
グリムジョーは彼女が十刃になっても一瞬で殺されるだろうと言い放ったのだ。

「現十刃と戦わずに立ち位置を手に入れ、ある程度味方を増やしておく…あいつの計画の餌にされたんだよ俺は。」

「そんな…」
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