第6章 手を伸ばして2*グリムジョー
「…簡単だ。自分の地位を高めようって魂胆だ。」
「あ!なるほど…でも、あの人、充分強くなかったですか?」
美人で強くて優しくて…理想の女性像の体現者なのだから、そんな姑息なことしなくても…と思っていると、ベットの上に座り直して彼が説明を続ける。
「お前は十刃じゃねぇし、十刃には遥かに及ばねぇ雑魚だ。」
「え!?別に知ってましたけどいきなり悪口って…」
「いちいちわざとかよお前は…とりあえず聞いとけ。…お前からしたら、あいつは強いのかもしれねぇ。が、俺からしたらあいつも雑魚だ。」
「そんなにですか?」
「奇跡的に十刃入りしてもせいぜいNo.10かNo.9だろう。しかも三日天下のな。」
十刃は強いが仲が悪い。その上十刃の座を狙って殺し合う輩が絶えない。
グリムジョーは彼女が十刃になっても一瞬で殺されるだろうと言い放ったのだ。
「現十刃と戦わずに立ち位置を手に入れ、ある程度味方を増やしておく…あいつの計画の餌にされたんだよ俺は。」
「そんな…」