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【短編集】ILY【R18】

第6章 手を伸ばして2*グリムジョー


「………だから何だ。」

「え…っ!!」

威圧感が増した瞳を見開いたと思えば、私は首を掴まれて地面に叩きつけられていた。

「ぅっ…は、なし…」

「テメーに信頼された所で俺に利益は無ぇ…それによォ、俺の何を知ってンな口聞いてんだ?ア゛ぁ゛!?」

…怖い。
とてつもなく恐ろしい。
私を覗き込む目は本気で殺りそうな狂気を含んでいる。

「っ!!」

私は必死に優しいグリムジョーを思い浮かべた。
首を圧迫する手を退かそうと藻掻くと、弾かれたようにハッとしたグリムジョーが私から手を引いた。

「カハッ!うぐ、うっ…ゲホッ」

酸欠状態で苦しい中、頭を垂れるグリムジョーの姿が滲む視界に映る。

膝が笑って立ち上がれず、もたつく私に手が差し出される。

「…掴まれ」

「あ、ありがとう…」

温かな手にグイッと引っ張り上げられ、そのまま引かれて歩き出す。
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