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【短編集】ILY【R18】

第6章 手を伸ばして2*グリムジョー


真っ赤な顔の私をからかう友達はやけに生き生きしていた。
バンバン私の背中を叩いて、奇声やら悲鳴やらを出しまくっていた。
…最後は喉が枯れて酔っ払いオジサンみたいになっていたけど。

(でも私…好きだからって何ができるんだろう…?)

付き合うなんて夢のまた夢。
格が違い過ぎる。
私の悩みは尽きることを知らず、悶々とした日々の中…とうとうあの噂が流れたのだ。

その時も、友達が噂を教えてくれた。

「グリムジョーが強姦だって…!」

「ええ!?」

それだけでも私は失神しそうだったのに、なんと相手はあの虚圏一の美女だと言う。

「それ、本当なの?」

「あくまで噂だからわかんないけど…」

グリムジョーだもん…本当だろうな…って私は思った。

「残念だけど、もう…あまり近付かない方がいいかもね…」

グリムジョーのことが好きだって、自覚したばかりなのに。
こんな恋の終わり方をするなんて…

友達が帰ると、私はベッドの上で彼の姿を思い出してみた。
どれも怖い顔して怒鳴ってばかりいる姿だけど、ちょっとした時に優しかった。

「…行こう」

何かを思った訳でもない。
不思議な衝撃が私の体を動かした。
グリムジョーに会わないと、って。
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