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【短編集】ILY【R18】

第6章 手を伸ばして2*グリムジョー


前みたいに視界が遮られるような物は渡されなくなった。そして口調も私に対して穏やかになった。

グリムジョーがザエルアポロに言ってくれたお陰だ…!と私は喜び、いつかお礼を言うためグリムジョーを目で追う日々が始まった。

グリムジョーは大体話しかけずらい雰囲気でいるため、機会を伺う私は無意識に彼を眺める時間を増やしていたらしい。

(そうそう、グリムジョーって歩く時右足から出すよね。あと…)

もはやストーカー。
伺うつもりが観察になっている。
私はいつの間にかグリムジョーの癖を挙げられるまでになってしまっていた。

こんな私なので、虚圏の友達は私がグリムジョーに気があるのだと思い込み、グリムジョーを観察する私をコソコソと観察し始める。

「そんなんじゃないのに…はぁ…」

尻隠して頭隠さずな友達を横目で流し、窓から外のグリムジョーを見ていると、彼は静かに仰向けで空を眺めていた。

(あ、今なら?)
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