第6章 手を伸ばして2*グリムジョー
前みたいに視界が遮られるような物は渡されなくなった。そして口調も私に対して穏やかになった。
グリムジョーがザエルアポロに言ってくれたお陰だ…!と私は喜び、いつかお礼を言うためグリムジョーを目で追う日々が始まった。
グリムジョーは大体話しかけずらい雰囲気でいるため、機会を伺う私は無意識に彼を眺める時間を増やしていたらしい。
(そうそう、グリムジョーって歩く時右足から出すよね。あと…)
もはやストーカー。
伺うつもりが観察になっている。
私はいつの間にかグリムジョーの癖を挙げられるまでになってしまっていた。
こんな私なので、虚圏の友達は私がグリムジョーに気があるのだと思い込み、グリムジョーを観察する私をコソコソと観察し始める。
「そんなんじゃないのに…はぁ…」
尻隠して頭隠さずな友達を横目で流し、窓から外のグリムジョーを見ていると、彼は静かに仰向けで空を眺めていた。
(あ、今なら?)