第6章 手を伸ばして2*グリムジョー
「一度に運ばせる量じゃねぇだろありァあ。」
「はい!って、違っ、何でもないです…」
反射的に返事をしてしまったけど、拍子抜けなグリムジョーに私は驚愕した。
あれ…そういうキャラでしたっけ?って。
「…テメーに同情してんじゃねぇ。また大荷物持ってぶつかられたら困るから文句言いに行くだけだ。」
「へ!あ…ありがとうございます…?」
チクる…のではないらしい。
怖いけどザエルアポロにガツンと言ってやってくれるのは嬉しい。
でもグリムジョーだから変な言い方して誤解を生んじゃうかも…と心配していると、グリムジョーは早々と歩き去ってしまった。
(不安しかないんですけどぉ!?)
だけど私に何が出来る?
十刃でも何でもない私が、口出しなんてできない。
大人しく…しておこう。
怯えて数日間を過ごしていると、自分の環境が変化していることに気づいた。
(ザエルアポロが私に荷物を押し付けてこない…)