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【短編集】ILY【R18】

第5章 剣の舞*坂田銀時、土方十四郎


「っ!ぐぁあああーー!」

切りつけられたオーナーが床にドスンと落ち、迸る血飛沫がれんの服にも散った。
訪れた静けさの中、二人が刀を収める音が鳴る。

「…怪我はねーかよ」

「ありがとう…」

差し出された銀時の手を取って立ち上がり、まだ息のあるオーナーを運んでもらうよう隊員に言いつける。

「しかし、派手にやったな。」

ふと当たりを見渡した十四郎が呟いた。

「…このオーナーのホテルなのよね?ここ。」

「完全に殺人現場になっちまったな。」

銀時の言葉に苦笑いして、れんはあることを思い出した。

「てことは、部屋に催淫剤があるかもしれないのよね?」

「…回収に行くか。」

だるそうな十四郎の後を追い、れんも催淫剤の回収へ向かった。

「片っ端から行くぞ。」

「はい。」

通路の端にある部屋へ入り、ベッド脇の棚を漁る。
案の定、ピンク色の怪しげな香水瓶のようなものがいくつも出てきた。

「うわぁ…巣窟ですね。」

集まった瓶を箱に詰めていると、十四郎が突然話し始めた。

「なぁ…万事屋の野郎とは…恋人か?」

「え?あんなボンたくれ絶対ないですよ。」

十四郎の質問を完全に否定した時…

「俺がなんだって?」

「わっ!?」
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