第5章 剣の舞*坂田銀時、土方十四郎
「っ!ぐぁあああーー!」
切りつけられたオーナーが床にドスンと落ち、迸る血飛沫がれんの服にも散った。
訪れた静けさの中、二人が刀を収める音が鳴る。
「…怪我はねーかよ」
「ありがとう…」
差し出された銀時の手を取って立ち上がり、まだ息のあるオーナーを運んでもらうよう隊員に言いつける。
「しかし、派手にやったな。」
ふと当たりを見渡した十四郎が呟いた。
「…このオーナーのホテルなのよね?ここ。」
「完全に殺人現場になっちまったな。」
銀時の言葉に苦笑いして、れんはあることを思い出した。
「てことは、部屋に催淫剤があるかもしれないのよね?」
「…回収に行くか。」
だるそうな十四郎の後を追い、れんも催淫剤の回収へ向かった。
「片っ端から行くぞ。」
「はい。」
通路の端にある部屋へ入り、ベッド脇の棚を漁る。
案の定、ピンク色の怪しげな香水瓶のようなものがいくつも出てきた。
「うわぁ…巣窟ですね。」
集まった瓶を箱に詰めていると、十四郎が突然話し始めた。
「なぁ…万事屋の野郎とは…恋人か?」
「え?あんなボンたくれ絶対ないですよ。」
十四郎の質問を完全に否定した時…
「俺がなんだって?」
「わっ!?」