第5章 剣の舞*坂田銀時、土方十四郎
「…あー、うるせー。そいつは煮るなり焼くなり、好きにしろってさっき言っただろ。俺達はてめーの要件を受け入れる気はねぇ。あんたも諦めて自首しに来い。」
「なっ…!?」
全員無事だし帰るぞー、と真選組がはけていく。
れんは、副長の命令となっては従うべきだと思う一方、銀時を何とか解放できないか呆然と立ち尽くして考えていた。
歯を食いしばるオーナーは、銀時が縋るようにれんを見ているのに気付き、瞬間で銀時を蹴り飛ばしてれんに銃を向ける。
近付き腕を捻りあげ、れんを人質にした。
「れん!?」
尻もちをついた銀時が急いで立ち上がる。
オーナーの拳銃はれんのこめかみに宛てがわれ、片手はれんの首をがっちりホールドしている。
銀時が木刀に手を伸ばしたその時、扉付近から地鳴りのような声が響いた。
「おい…そいつから手ぇ離しやがれ」
十四郎が鬼の形相でオーナーを睨む。
「ふん、そちらが要件をのまなかったからだ。」
女を人質に取って得意げになったオーナーに、銀時が木刀を抜いて言ってやった。
「おいおいオーナーさんよぉ…挟み撃ちって、知ってるか?」
「…!」
戦闘準備の整った十四郎と銀時が距離を詰める。
「近付くな!撃つぞ!」
後ずさるオーナーに引っ張られるれんは、 回されている腕に手を掛け、少し重心を前に倒す。
「言っとくが、二対一じゃねーからな。」
「三対一だコノヤロー」
「はっ!」
れんがオーナーを背負い投げした瞬間、二人が空中を舞うオーナーに刃を向けた。