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【短編集】ILY【R18】

第5章 剣の舞*坂田銀時、土方十四郎


れんが見ていた限り、一応全員が間に合って地面を這いつくばい、無事出口へ逃げてきた。

こちらも黙って見ているわけにはいかないと、バズーカを構えてダンボール目掛けて何発も撃ち込む。

相手の動きが静かになったようなので攻撃をやめ、煙が充満した部屋を目を凝らして窺う。

すると更に奥の扉がギギ…と開く音がした。
向こうから二つの影が部屋の中心へと近付く。

(誰が…)

暫くして煙が落ち着くと、その影が正体を現した。

「…銀さん!?」

「よ、よぉ…」

両手を拘束された銀時が力なく笑う隣には、銀時に銃を向けてほくそ笑む、このホテルのオーナーがお目見えになっていた。
その周りは恐らく敵のであろう血液が床に広がっていて、隊員達が顔を歪める。

「おや…お知り合いでしたか…?」

オーナーはれんと銀時を交互に見て、邪気を帯びた顔で笑った。

「ならば話は早い…」

ますますゲスい笑を浮かべ、銀時の頭に銃口を突きつける。

「この者の命が惜しければ、我々の薬を合法にしてもらいたい…儲けた額はそちらにも渡してあげようじゃないか…。どうだ?」

真剣な顔で交渉を持ちかけるオーナーには悪いが、こちら真選組は…あまりのバカバカしさに呆れ返っていた。

オーナーがどうだどうだと急かす中、十四郎は刀を下ろして告げる。

「いや、そいつの命ぐらい惜しくねぇから断る。」

「ちょっと土方くーん!?見捨てるの!?俺見捨てちゃっていいの!?」

必死に助けてとアピールする銀時だが、真選組は全く聞く耳を持たない。
これにはオーナーも焦り、更に声を荒らげる。

「おい!こちらには人質がいるんだぞ!」
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