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【短編集】ILY【R18】

第2章 好きなのに*六道恭平


れんと最後に体を重ねたのが4日前。
なかなか減らない仕事をこなし、次にれんと過ごせる日を楽しみにしながら過ごす毎日。
だけど、ここ最近は夜遅くにシャワーを浴びに帰って着替えて、すぐまた仕事へ向かうことが多くて、寝ているれんにそっとキスをするだけのため…もう完全にれん不足。

(今日は早く帰れるな。)

テレビ局の楽屋の時計を見上げて19時であることを確認し、
次のラジオ局へ向かうため楽屋を後にした。
REVANCEラジオの収録が終われば帰れる。
今夜はれんとゆっくり過ごそう。

そう思いながら軽い足取りでエレベーターに乗り込もうとした時だった。

「恭平さん、ちょっとお願いがあるのだけど。」

この声には聞き覚えがある。
立川あゆ…今や男女年代を問わずに愛されている国民的大女優。
そして、某テレビ局の総合プロデューサーの娘でもある。
彼女とは何度か番組で共演したことがあり、REVANCEの冠番組に出たこともある。
そのため俺達とはかなり親交がある。

それに彼女と俺は…もう二年前の話になるが、一度だけ肉体関係を持っていた仲でもあった。
しかし今では何事も無かったかのように接している。

振り返ればにこやかな笑みを浮かべた立川が立っていた。

「今度父の主催でパーティーがあるの。良ければいらっしゃらない?」

「良いぜ。日時は後で伝えてもらえれば助かる。」

「ならあなたに電話で連絡しておくわね。」

「それだけ伝えたかったの。」と立川が去っていった後、エレベーターに乗ってラジオ局へと向かった。
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