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【短編集】ILY【R18】

第2章 好きなのに*六道恭平


「おはよう。」

1階へ降りてリビングへ向かうと、朝食を用意しているれんと目が合う。

「お、おはようございますっ。」

挨拶を交わしただけなのに、昨日の夜のことを思い出したのか
耳まで赤く染めてぎこちなく目を逸らされる。

俺としては、誘っている仕草のようにしか思えないんだが…というのを言ってしまうと…

「朝から妄想か?これから部屋に戻って付き合ってやってもいいけど…どうする?」

「からかわないでください!」

って可愛い顔で拒否されてしまう。

「まったく素直じゃねぇな。」

「そんなの願い下げです!」

そんな風に可愛い言い合いをしていると、
ここがREVANCE専用スタジオで他のメンバーも居る事を忘れて、
俺はれんと新婚生活を送っている気分に浸ってしまう。

「れんちゃんおはよー。」

その時丁度降りてきたアオにれんが笑顔で挨拶を返す。

「アオちゃんもおはようございます。」

「あれ?恭ちゃんが珍しく早起き。」

「それはこっちのセリフだ。いい気分を壊しやがって。」

「えええ!?突然の八つ当たり程理不尽なものはないよ…。」

「えと…山田さんにご飯あげてきますね。」

いそいそと中庭へ消えていったれんの後ろ姿を見送り、
俺はケータイを開いて今日のスケジュールを確認した。
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