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【短編集】ILY【R18】

第5章 剣の舞*坂田銀時、土方十四郎


「あんまりそいつをいじめるんじゃねぇ。」

十四郎が助け舟を出してくれたのは良かったが、その言い方とあまりにも遅い反応に腹が立ち、れんは微妙な十四郎のモノマネを披露した。

「いじめるなら俺にしろ。」

「俺助けたよな!?っつーか似てねぇ!」

なぜ似てないモノマネをしたのか。それは隣の人を見ればすぐにわかる。
ここぞとばかりに十四郎に銃口を向け、洗練されたブラックスマイルを浮かべる総悟を見れば。

「さすが土方さん、女をいじめるならテメーをいじめろということですかィ。」

「お前ら謀っただろ!」

「何言ってるのか分からないんで、取り敢えずバズーカ浴びてください。はい。」

「文脈繋がってねぇ!」

総悟のバズーカ発射まで残り0.5秒という所で、車内に局長の声が響いた。

「お前ら!遊びに行くんじゃねーんだぞ!」

局長のお叱りを受けたれんと総悟は一瞬で黙り、十四郎は呆れ顔で前へ向き直った。
静かになった車内は一人の溜息すらも響いてしまうほど。

皆緊張していたのだ。
いくら腕に自信があっても、いくら戦線を駆け抜けてきても、命懸けとなれば並の集中力では死んでしまう。
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