第2章 好きなのに*六道恭平
遮られた物がなくなった瞬間、勢いよく天井を向く俺自身にちょっと驚いてれんが目を逸らす。
そりゃそうだ。こんな間近で他人の性器を見るなんて、慣れないに決まってる。ましてや相手は恥ずかしがり屋のれんだ。
「れん…無理しなくていいぞ?」
れんの赤く色付いた頬に手を添えてそっと撫でる。
ゆっくりと、薄い水の膜が張った目で見上げられて心臓がドクッと大きく跳ねた。
「っ…お前その目遣い禁止」
こう無意識に男を煽るから…いつも敵わないなと思う。
れんを引き寄せて甘いキスを繰り返し、唾液を絡める。
口内が蕩けきってようやく唇を離し、おでこをコツンとくっつけた。
「嫌ならやらなくていいんだぞ?」
「…ううん。私、頑張るから…」
静かに、そっとれんの指が俺自身を包み込む。
「れん…」
本来男性器を勃たせるための行為がどうして、こんなにも切ない気持ちになるのだろうか…。
俺は徐々に顔を脚の間へと近づけていくれんの頭を撫でながら、その時を待った。
「っ…!あ…っ」
鈴口に唇を落とされ、クルリと舌先で先端部分を刺激され、短い吐息と共に背が弓なりにしなる。
陰茎に舌を這わし、口全体で奉仕する姿はなんとも淫らで、
俺自身は過去最高に硬くなっていた。
「く…れん、もう…離し、っ…!」
亀頭が大きく膨らんで今にも爆ぜそうだと気付いたれんは、
喉奥まで俺を迎え入れ、指、唇、舌、喉を使い追い打ちをかける。
まだ拙い動きとはいえ、快感を引き起こすには充分過ぎた。
「ハっ、れんっ…!」
もう限界だ…!
最後の理性を総動員してれんの口から俺を引き抜こうと試みたものの、しっかりと手で根元を握られていたために、
俺はれんの口内で絶頂を迎えることとなった。