第17章 【夜シリーズ】イロコイ【緑谷出久】
器用に身に着けていた物を脱がされ、一糸纏わぬ姿を出久に惜しみもなく晒す。
今まで自分の体に自信なんて無かったけど、彼の誉め言葉を聞くと馬鹿みたいに気分が舞い上がった。
「っ…!」
シュル…と解いたネクタイを床に放り、シャツのボタンを外していく度に露になる彼の腹筋。
目のやり場に困ってキョロキョロしていたら、シャツを脱ぎ終わった出久に再び組み敷かれた。
パッと目に入った胸筋と、彼の熱い視線がもたらす酩酊感に目眩を起こしそうだ。
こういうことをしてるけど、別に私達は付き合ってない。
立場が立場だし…。
だけど…私は出久のことが………
「好き……」
「…へ?」
「あ…っ!」
…しまった。
ついつい漏れてしまった告白に、慌てて口を噤む。
熱で思考回路がやられてしまったのか、私は本心を言葉にしてしまったのだ。
(ずっと内緒にしてたのに…)
出久は数秒間キョトンとした顔をして、固くなっている私に微笑んでくれた。
頬に感じた温かい掌に包まれ、優しい指先が私の肌を撫でる。
「ありがとう。凄く嬉しいよ…、言うはずじゃなかったのにって顔してるね。」
クスッと笑った彼の指が顔の輪郭をなぞり、首筋を伝って鎖骨に這わされる。