• テキストサイズ

【短編集】ILY【R18】

第17章 【夜シリーズ】イロコイ【緑谷出久】


文字と数字で表されていたのは、都内の高級ホテルの一室と待ち合わせ時間で…
意を決してその誘いを受け入れた日から、私達の距離は一気に縮まった。

「私も、すごく緊張してる…かも。」

「一緒だね。」

クスッと笑った出久の顔が可愛くて、釣られて私の表情筋も緩む。
なるべく体重をかけないように組み敷かれ、彼はもう一度私の唇を奪った。

「ン…は、」

チュク…と、湿ったリップ音がやけに大きく響いた。
思考も体も蕩け切って、出久の手が体のラインを確かめるように這わされる。

触れられた部分が熱を持ち、全身の体温も釣られて上がる。

「…その顔、すごくそそられるな」

「―――!!み、見ないで…」

「恥ずかしがらなくていいのに…」

出久は顔を隠した私の手を掴み、優しく退かしながら額にキスを落とした。
視界を遮るものがなくなり、見つめ合うと感情が高ぶって、心臓が肋骨の中で騒ぎ始める。

「は…あ、待っ……」

「…今すぐれんさんが欲しい。」

いつの間にか、可愛い仮面を外した出久が私の服に手を伸ばす。
瞳に宿った野性的な視線に射抜かれ、私の背筋に甘美な電流が流れた。

(ロールキャベツ男子、っていうんだっけ……)

私は出久の雰囲気が切り替わる瞬間がとにかく好きだった。

好戦的な彼の表情がたまらなく体の奥を疼かせるのだ。

「綺麗だよれんさん…」
/ 245ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp