第17章 【夜シリーズ】イロコイ【緑谷出久】
「だって…出久は……」
ホストだから。
その一言が声にできなくて、黙り込んだ私の真意を出久は理解してくれた。
「うん。ごめんね…君の気持ちに応えてあげたいけど、誰か一人を特別扱いはできないんだ。」
「あ…私こそ、困らせちゃってごめん…」
…少しだけ、チクッと痛んだ心。
恋人なんて無理なことは望まないから、出久の特別になりたい…。
他の女じゃなく私を選んで貰えるような、そんな人になりたい。
(どんなことをしてでも、出久の一番に……)
彼と出会ったことで生まれた淡い恋の種。
咲かせた花の色は、恋とはかけ離れた醜い欲望。
その花に魅せられた私は、自ら出久にキスをした。
「れんさん…」
「……私、出久がyuueiで一位になれるよう、全力で応援する。」
「でも、それじゃれんさんが大変な思いを」
「いいの…!私は大丈夫。」
「…そっか。嬉しいけど、本当に無理はしないでね?」
「うん。」
小さくリップ音を立てて唇が重なり、私は瞼を閉じた。
出久のキスを受けながら、彼の腕に溺れていく。
「ア…っ」
秘部を撫でた彼の手に愛液が絡み、テラテラと淫靡に光った。
濡れた指を這う赤色の動きに見入っていると、私の目を見て出久が悪戯に微笑んだ。
官能的な彼の色香にあてられて、グラっと視界が歪む。