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【短編集】ILY【R18】

第17章 【夜シリーズ】イロコイ【緑谷出久】


「今日も来てくれて嬉しかったよ…ありがとう。」

「いえ、私こそ、出久と話せてすごく楽しかった。」

あの夜から数週間。

私はちょこちょこyuueiに通うようになり、ちょこちょこお金を使うようになった。
出久に会いたい。
出久と話をしたい一心で。

彼は心の癒しだった。

「れんさん、最近綺麗になったよね?化粧とかも変わって…僕、今のれんさん好きだな…」

「ホント…?嬉しい。」

出久の言う事はなぜかお世辞に聞こえなくて、小さな変化にも気が付いてくれた喜びに胸を躍らせる。

「れんさん…」

太陽のような笑顔が迫り、目を閉じれば唇に感じる優しい熱。
柔らかな感触を暫く堪能していると、隙間から割り込んで来た舌が私の歯列をなぞった。

情熱が絡み合い、後頭部に回された出久の手が私の髪をそっと撫でる。
舌先で口蓋をチロリと刺激され、体から力が抜けて膝を折ってしまったが、彼の腕が私を支えてくれた。

「久しぶりだから、ちょっと緊張してるかも。」

「あ……」

少し照れくさそうに笑い、出久が私を押し倒す。
反発性の小さいマットレスが私の背中を受け止め、淡いオレンジ色の光が照らす天井を見上げる。

(あの日と同じ天井だ……)

いつの日か、思い出すのは名刺の裏に書かれていた文章。
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