第15章 セイレーン*リヴァイ
リヴァイのことが待ち遠しくて、窓を開けて外を眺めていたのがそもそもの間違いだった。
あの時、大人しく死人のように寝ていれば、娼館を横切る一人の女性なんて目に入らずに済んだのに…。
名前も知らないその女性は、肩まである栗色の髪を靡かせて、堂々と通りを歩いていた。
服装からして調査兵団だろうか、と呑気に考えていた私の前を横切った彼女の顔を見て、私は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
(え…私にそっくり…)
壁に囲まれた小さな世界で、こんなことが起こっていいのかと狼狽えもした。
横顔のラインから、目も鼻も口も……
何から何まで私と瓜二つの人物が、そこにいたのだ。
リヴァイは…もしかして――――――
確信はない。
だけど、どこか納得できない私がいた。
…いや、引き下がれない私がいた。
卑しい身分の人間だって分かってるけど、私は諦めたくなかった。
あなたの本心を知るその時まで、私は………
「…ん…いいな、その動き」
リヴァイの悦楽に歪んだ顔は官能的で、情欲の色が濃く出ていた。
形の良い唇を割って吐き出される息まで艶っぽく、私の脳はまんまと熱に浮かされる。
「ん、ンク…ん、…」
夢中で彼を喉奥まで迎え、唇で強く挟み、濡れた舌を這わせて頭を上下に激しく振る。
口を窄めて精を促し、吸い上げて彼の陰嚢を手の内で転がす。
呼吸が上手くできない苦しさと食道をつつかれる辛さ…どれだけ嘔吐こうが、私は意地でも動きを止めなかった。
その内リヴァイの冷たい指先が私の髪を弄り、そっと私の耳に掛けてくれた。
何気ない彼の優しさに、咥えた状態で再び顔を上げれば絡む熱い視線。
嗚呼…私、本当にこの人のことが……
肺が押しつぶされそうに苦しくて…。
大胆な口淫ができなくなった私は、窪んだ鈴口に舌先を差し込んでほじくるように愛撫した。
「は………出るぞ、離せ。」
「んん…!」
「おい、何を、」