第15章 セイレーン*リヴァイ
彼はなぜか私の中に精を放出したがらない。
だから私はいつも切ない思いをしていた。
どうせ娼婦なのだから…大切にされる価値なんて無いのに。
私は頭を振って彼の反対を押し切り、喉の更に奥へと肥大した亀頭を迎えた。
根元を唇で扱き、懸命に舌を幹に絡ませて雄をしゃぶる。
「早く……、クっ、」
胃に近い場所で彼の先端が上向き、筋張った陰茎がポンプのように収縮し、太い雁首が道を隙間なく埋め尽くす。
私が彼を吸い上げると同時に、粘着質な欲が先端から迸った。
「…………っ!」
「…んむッ、!」
喉が焼けそうな程にその飛沫は強烈で、ねっとりと胃に流れ込むのが感覚で分かった。
リヴァイの顔は妖艶に歪み、腰は快感に浮く。
顰められた眉の下には一層暗い影が落ち、元々の彫の深さを思わせた。
「シーナ…もういいだろ。そろそろ離せ。」
腰の緩い振動が治まると、未だリヴァイを喉奥に迎えている私を睨む。
少々ご機嫌を損ねてしまっただろうか?
だけどそれぐらいしないと、あなたを引き留められないと思ったの…。
私は渋々男根をズルリと口から吐き出し、唾液で濡れた顎を手で拭った。
少し酸っぱい臭いのする白い糸が何本も引き、ドロドロとシーツに流れてシミを作る様子は何とも淫猥極まりない。
彼自身に纏わりつく泡立った液も、手繰り寄せたシーツで綺麗に拭き取り、後処理を済ませる。
「怒ってる?」
「…いや、そうじゃない。」
「そう…なら、続けましょ?」
吐息が触れ合う距離まで顔を近づけ、リヴァイに行為の続きをねだる。
彼は口で答える代わりに私の背に手を回し、そっと自分の方へ抱き寄せた。
「今日はお前が好きにするんだろ?」