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【短編集】ILY【R18】

第15章 セイレーン*リヴァイ


それから何日経ったのかは分からないが、漸くリヴァイと会える日が来た。


暗い部屋の扉がギギ…と音を立て、廊下から漏れた光がこちらに差す。
待ち望んだ彼を迎えるために、私はそっと立ち上がった。

私は少し、勇気を出してみることにしたのだ。

「シーナ…」

姿を見せた彼は上着を身に着けておらず、立体起動装置やブレードも無い。

部屋に入るとすぐ、リヴァイは私の元に来てくれる。
彼の表情はとても穏やかで、私が腕を絡めるとグッと引き寄せてくれた。

「ねぇリヴァイ、会うのいつぶりかな?」

「さぁな…いつもよりかは早く来ただろ。」

そっか…リヴァイにとって、会えない期間は苦痛じゃないんだ…。
私はこの場所で、永遠にも思える時を過ごしたのに。

「…そうね、嬉しいわ。」

私は笑顔を取り繕い、リヴァイの首に抱きつく。
少しでも彼の気持ちを知りたくて、私は自ら唇を奪いに行った。

舌先でチロリと彼の唇を舐め、薄く開いた隙間に熱を捩じ込む。
探るように口蓋を刺激して、歯列をなぞるとリヴァイの指先がピクリと反応した。

「…ん、」

やられっぱなしが気にくわないのか、リヴァイが手を私の後頭部に回し、口付けを更に深くする。
受け身だったリヴァイの情熱が私に絡み、私を振り回して翻弄する。

さっきまで主導権を握っていたのは私なのに、気が付けば形勢逆転していた。

「、は…ん、…」

湿ったリップ音が狭い部屋に木霊して、縺れるように二人でベッドに倒れる。

「今日は手加減無しだ。いいな?」

私を組み敷くリヴァイの目を見れば、シーツに沈んだ背が戦慄く。
刺すような視線は獣そのもので、骨の髄まで喰われるのではと脳が警鐘を鳴らすのだ。

それでも、私は喜んであなたに身を捧げるわ…

灼熱の業火に魂まで焼かれようとも、あなたに心を奪われた罪は永遠に消滅しないのだから…
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