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【短編集】ILY【R18】

第15章 セイレーン*リヴァイ


「…また来る。」

綺麗な彼の手に掬われた私の黒髪が、スルリと指の隙間から零れる。
彼は名残惜しそうにその動作を何度も繰り返し、少し感情を露わにした表情で立ち上がる。

細められた切れ長の目は、この瞬間だけは私のもの。

「はい、待ってます…。」

身支度を整えた彼は私に背を向け、振り返ることなく部屋を出て行った。

また、孤独な生活が始まる。
早くあなたに会いたい。

飢えた男を誘い、抱かれるだけが生きる目的のこの場所で、私に差した一筋の光。
それは闇に生きることを強いられてきた私にとって、あまりにも眩しすぎた。

ねぇリヴァイ…今度はいつ会えるの…?

人類最強と呼ばれる彼は、最初から私を指名してくれた。
きっと酷い抱かれ方をされると思い、震えていた私を恋人のように愛してくれたのだ。

他の娼婦たちから妬まれ、嫌がらせをされたって…私はあなたのためならいくらでも耐えられる。

だって、私は………
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