第14章 鶴の一声*○空条承太郎、花京院典明
承太郎に腕を掴まれたのは私…ではなく、花京院だった。
(え?マジ?うそでしょ神展開来ちゃった!?)
いつの間にか立ち上がっていた承太郎は、花京院を引き寄せその腕の中に閉じ込めたのだ。
身長195cmの大男が背を丸め、花京院に顔を近づけ…
ドキューーーンッ!!
なんと、承太郎が花京院の唇を奪ったのだ。
承太郎と花京院がッ、熱いキスを交わしている…!
花京院は突然の事に承太郎の体を押し返そうとしているが、角度を変えて深くなる接吻に蕩け始め、すっかり承太郎のなすがままだ。
(おお…ッ!ふ、ふるえるぞハートぉお…!)
いきなりすぎて理解は及ばなくても、私は目の前の視覚情報に興奮してしまった。
重なる唇の隙間から見えた絡まる舌…情欲の朱に染まった花京院の頬…。
カメラだ!記録しなければ!
私が上着のポケットから取り出したカメラを構えた刹那、プハァッ、と大きな吐息を漏らして二人の顔が離れる。
切れた銀の糸が互いの顎を伝い、花京院は潤んだ両目を細めた。
なかなか良いシーンだったので写真、撮りました…。
「な、何をするだ、」
「おい花京院…お前の相手は俺だ。」
「なッ!」
花京院のささやかな抗議は、なんとも漢らしい承太郎の誘い文句の前に撃沈した。
ごめん花京院…私はもう胸のときめきが止まりません…。
承太郎と花京院の下半身に目を向ければ、ズボンを押し上げて存在を主張する象徴のシルエットが。
もう二人とも限界だったらしい。
それでも理性を失わない承太郎は流石だと思った。
「てめぇが陽月を好きだって事はとうに知っている。」
「ジョジョ、何を、」
「だが、俺はお前が好きだ。俺がお前を抱いてやる」