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【短編集】ILY【R18】

第11章 最狂*タクミ・アルディーニ、葉山アキラ


タクミが自力でれんを引き剥がし、ベッドの隅へ退散する。

「後ろの方も貫通しておいてくれ。」

葉山の目を見ながら言い放つが、葉山自身はなぜかベッドの上に乗ろうとしない。
それどころか、しがみつける温もりを無くしてシーツに倒れたれんを見やり、タクミに意見した。

「…何も、今じゃなくたって良くねーか?こいつはまだ…」

「へぇ…随分と丸くなったじゃないか。でも、れんは君のモノじゃない…後ろは使えた方がもっと楽しみ方が増える。メリットは充分だ。」

…君にれんのハジメテを二つもくれてやるんだ…その方が君も納得してサヨナラを言えるはずだろ……

タクミのくすんだ瞳に生気は宿っておらず、一瞥された葉山の背筋に冷ややかな刺激が走った。

「…陽月…。」

葉山は半ばやけくそな気持ちになって、うつ伏せ状態のれんに覆い被る。
タクミの方にれんの頭が向いているため、自然と葉山の頭部がタクミの身体とぶつかりそうになった。

「陽月…痛かったら歯食いしばれ。」

目の焦点が虚空を彷徨っているれんに、果たして聞こえているのかどうか…。

葉山は繊細に人差し指を使い、垂れた愛液を菊の内側に塗り込んで、死人のように青白いれんの表情を見守る。
髪に隠れたれんの耳に顔を寄せて、消えかかりそうな声でボソッと呟いた。

「これが終わったら、もう会えないかもしれねぇ…れん…」

「……ぁ、今…」

葉山に初めて名前で呼ばれ、れんの顔色に温かさがほんの少しだけ戻る。

「最後まで勝手で悪い……許せ。」

「!?…んんっ、あああ―――っ!!!」
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