第11章 最狂*タクミ・アルディーニ、葉山アキラ
タクミが自力でれんを引き剥がし、ベッドの隅へ退散する。
「後ろの方も貫通しておいてくれ。」
葉山の目を見ながら言い放つが、葉山自身はなぜかベッドの上に乗ろうとしない。
それどころか、しがみつける温もりを無くしてシーツに倒れたれんを見やり、タクミに意見した。
「…何も、今じゃなくたって良くねーか?こいつはまだ…」
「へぇ…随分と丸くなったじゃないか。でも、れんは君のモノじゃない…後ろは使えた方がもっと楽しみ方が増える。メリットは充分だ。」
…君にれんのハジメテを二つもくれてやるんだ…その方が君も納得してサヨナラを言えるはずだろ……
タクミのくすんだ瞳に生気は宿っておらず、一瞥された葉山の背筋に冷ややかな刺激が走った。
「…陽月…。」
葉山は半ばやけくそな気持ちになって、うつ伏せ状態のれんに覆い被る。
タクミの方にれんの頭が向いているため、自然と葉山の頭部がタクミの身体とぶつかりそうになった。
「陽月…痛かったら歯食いしばれ。」
目の焦点が虚空を彷徨っているれんに、果たして聞こえているのかどうか…。
葉山は繊細に人差し指を使い、垂れた愛液を菊の内側に塗り込んで、死人のように青白いれんの表情を見守る。
髪に隠れたれんの耳に顔を寄せて、消えかかりそうな声でボソッと呟いた。
「これが終わったら、もう会えないかもしれねぇ…れん…」
「……ぁ、今…」
葉山に初めて名前で呼ばれ、れんの顔色に温かさがほんの少しだけ戻る。
「最後まで勝手で悪い……許せ。」
「!?…んんっ、あああ―――っ!!!」