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【短編集】ILY【R18】

第11章 最狂*タクミ・アルディーニ、葉山アキラ


呆然とするれんを横目で見ながら立ち上がり、ズボンを元に戻したタクミはナイトスタンドの引き出しを開けた。

「ああ、葉山、もう少しだけ待ってくれるか。」

「は?」

身支度を終えてドアノブに手をかけた葉山を呼び止め、手元をガサゴソさせながら「まだやって欲しいことがある」と伝える。

「……」

決まりの悪い表情を浮かべながらも、無言で葉山は渋々従った。

「助かるよ。」

「つまんねーことだったら帰るからな。」

椅子に座ってスマホをいじる葉山かられんへと目線を移し、スっと手に取った物をれんの顔の前に差し出す。

口元に近付けられた物を見て、れんは顔を歪ませた。

タクミの手に握られた、男性器を象ったグロテスクな玩具。
ピンク色の棒の表面には、ご丁寧に凸凹まで再現されている。

「…舐めろ」

無機質なモノを前にして、不思議な恐怖心が湧く。
舌先で出っ張った部分をグルリと舐め、勇気を出して口に含む。

「ン…」

熱くて雄の匂いがする本物と違い、どれだけ愛撫しても変化がない。
拙い動きで頑張ってみても虚無感は拭えなかった。
手に伝わる動きを感じながら、タクミが静かに様子を伺う。

「…そろそろ良いか。」

「…っ、ぷは……」

唾液の糸を引く玩具を口から出して、れんの蜜口に当てる。
れんは顎に垂れた自分の唾液を手で拭い、目を閉じて体の力を抜いた。

「いい子だ…」

「アァ、あんっ…」

葉山が教えたことを実践するれんに囁いて、ズブズブと質量のある玩具を秘裂に押し込む。

「ん、ふ…ぁ…」

れんは少し呼吸を乱して根元まで呑み込んだ。
無意識に足先に力が入り、もう快感と果ての境界で震えているようだった。
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