第11章 最狂*タクミ・アルディーニ、葉山アキラ
呆然とするれんを横目で見ながら立ち上がり、ズボンを元に戻したタクミはナイトスタンドの引き出しを開けた。
「ああ、葉山、もう少しだけ待ってくれるか。」
「は?」
身支度を終えてドアノブに手をかけた葉山を呼び止め、手元をガサゴソさせながら「まだやって欲しいことがある」と伝える。
「……」
決まりの悪い表情を浮かべながらも、無言で葉山は渋々従った。
「助かるよ。」
「つまんねーことだったら帰るからな。」
椅子に座ってスマホをいじる葉山かられんへと目線を移し、スっと手に取った物をれんの顔の前に差し出す。
口元に近付けられた物を見て、れんは顔を歪ませた。
タクミの手に握られた、男性器を象ったグロテスクな玩具。
ピンク色の棒の表面には、ご丁寧に凸凹まで再現されている。
「…舐めろ」
無機質なモノを前にして、不思議な恐怖心が湧く。
舌先で出っ張った部分をグルリと舐め、勇気を出して口に含む。
「ン…」
熱くて雄の匂いがする本物と違い、どれだけ愛撫しても変化がない。
拙い動きで頑張ってみても虚無感は拭えなかった。
手に伝わる動きを感じながら、タクミが静かに様子を伺う。
「…そろそろ良いか。」
「…っ、ぷは……」
唾液の糸を引く玩具を口から出して、れんの蜜口に当てる。
れんは顎に垂れた自分の唾液を手で拭い、目を閉じて体の力を抜いた。
「いい子だ…」
「アァ、あんっ…」
葉山が教えたことを実践するれんに囁いて、ズブズブと質量のある玩具を秘裂に押し込む。
「ん、ふ…ぁ…」
れんは少し呼吸を乱して根元まで呑み込んだ。
無意識に足先に力が入り、もう快感と果ての境界で震えているようだった。