第11章 最狂*タクミ・アルディーニ、葉山アキラ
「やめてっ、いや!タクミ…!」
雄の目をした葉山に組み敷かれ、精一杯抵抗してみても女の力じゃビクともしない。
タクミは泣き叫ぶれんの声なんて聴こえていないように、ベッドの傍に置かれてあった椅子に腰かけ、葉山が読んでいた本を開いている。
「ヒ…う、助け…、イヤ…」
力が無くなり怯えるだけになったれんの服を脱がし、葉山が下着姿の肢体を上から下まで値踏みをするように眺める。
「へぇ…これで処女か。」
ブラからこぼれ落ちそうな胸と、綺麗にくびれた腰回り。
タクミに綺麗だって言われたくて、今まで頑張って来たのに…初めてのお披露目が葉山になるなんて。
「う…グスッ…」
鎖骨を這う湿った感覚に涙して、れんは唇を噛み締めて顔を逸らす。
(夢…きっと悪い夢よ…!)
赤い瞼を強く閉じ、気持ちよさに抗う健気な様子は実に可哀想だが、葉山の加虐心を煽る要因に転じてしまっているのは最早悲劇だ。
「…処女は苦手だからって、俺に頼んで来たんだよ。」
他人のような顔で読書をしているタクミをチラリと見て、葉山がれんの耳元で呟いた。
「た、タクミが…?」
驚きで瞠目したれんの背中に手を回し、一瞬できた隙にブラのホックを外す。
「あっ…!!」
咄嗟に胸を隠そうとした手を掴まれ、頭の上でシーツに縫い止められた。
小さなれんの両手では、葉山の大きな左の掌で一つに纏められるのは簡単なことだった。
たわわな乳房が外の空気に触れ、先端が意識と関係なく主張を始める。
これ以上は嫌だ、と悪足掻きに足をバタバタさせていると、今まで一切関心を見せなかったタクミが立ち上がった。