第8章 わたしたち*緑谷出久、飯田天哉
『れん……?』
「んっ、あぁ、て…ッ!」
『れん!どうしたんだ!答えてくれ…!』
飯田の声が震える。
最悪だ…最悪の事態だ…と、飯田が息を呑むのが携帯越しに二人にも伝わる。
「どう…?気持ちいい?」
荒々しく腰を打ち付けて、再び熱を灯した狂宴に緑谷が嗤う。
「…っ、ハん、ヤ…ああ」
「答えられないぐらい、イイんだね…?」
理性の糸を千切られまいと足掻くれんも、絶頂を迎えて早々にガラガラと何もかもが音を立てて崩れた。
「あ、キモチ、いいの…!デク君っ、好き…!!」
『…れん……?そんなっ……あ゛あ゛あ゛ーーー!!!』
電話口で絶叫する飯田に、緑谷が更に追い討ちをかける。
「飯田君、聞いた…?気持ちいいって…陽月さんが、僕を好きだって」
『黙れ!!!居場所を教えろ!』
「場所?いいよーーーーーーー」
シーツがめくれ上がる程の抽挿にひたすら喘ぐ。
意識が混濁し始めたれんは、誰の声も聴こえなくなっていた。