第2章 好きなのに*六道恭平
(はぁ…こうなると頑固なんだよな…。)
肩に乗せていた手をれんの後頭部に添え、未だに俺を見ようとしない強情で頑固な唇を塞いだ。
「…っんぅ」
最初は強ばっていたれんの体から余計な力が抜けていったのを確認し、ベッドに押し倒しながら舌を侵入させてれんの口内を味わう。
目を閉じて完全にキスで蕩けているれんの顔を眺めて、その下にある豊かな膨らみに触れる。すると突然手を払いのけられ、体ごと腕の中から抜け出されてしまった。
「れん?どうしたんだ。」
自分を抱き締めるように腕を組んで背中を壁に預けているれん。視線を彷徨わせ、いかにも怪しい。
「その、今日は、生理で…無理なんです…。」
「…わかった。」
バレバレの嘘をつかれ、おまけに本音を教えてもらえない。
腹が立つのもあったが寂しさの方が大きく、モヤモヤを抱えたまま俺はれんの部屋を後にした。
(俺何かしたっけな?)
もし自分がれんに嫌がることを強いていたなら謝るが、どうもそんな節は思い当たらない。
結局れんと愛し合えるはずの夜はオアズケとなってしまい、また溜まった性欲に頭を悩ませる日と化してしまった。