第17章 直接対決
臨也は恋する相手がこの家から出て行くのを笑顔で見送った
それを不安に感じる
“私のことなんてどうでもいいのかもしれない”
そんな思いが過ってしまう
静雄は彼女の不安気な表情を見た
「俺ならお前を幸せにできるから」
が持つ荷物を取り上げて右手に抱え、そっと手を繋いだ
包み込むような柔らかい手のつなぎ方
彼女はそれを何だかもどかしく思い、恋人繋ぎに変える
「ふふ…」
「なんか好きな料理言ってみろ」
「うーん、ハンバーグ」
「じゃあ今日の晩飯はハンバーグ作ってやる」
「じゃあ…明日は、静雄が好きなのを私が作る!」
「ロッタリアのチーズバーガー」
「もう!!」
笑い合う2人を俯瞰する青年
「ああ、虫唾が走る」
将棋盤の上に置いた、自分がこの世で最も嫌う相手の煙草
「君が居なくなればみんな楽になるのにね…」
右手に握られたナイフは煙草を激しく垂直に突き刺す
倒れる白のナイト
臨也はニイ、と笑う
「早く死ねよ、バケモノ。」