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【デュラララ!】究極選択Ior S

第28章 《 side S 》 時間の使い方



わたしはコンロの火を止めて、静雄と真正面から向き合った

「これがいいんだよ、今、この状況が」
「この状況?」

「そう、静雄に時間を使うのが。」

「時間を使う……」

静雄は微笑みもせず、何処か困ったような表情をして見せる


「ごめん、語弊があるな、んー…なんていうんだろ……

静雄のために生活してる、かな?」


わたしはまた静雄の目を見てみた


「なんだそれ」

視線が合わない

それは照れ臭そうにそっぽを向いていたから

んー……、可愛い




そっぽを向いていた静雄は、この重苦しい空気を断ち切ろうと言わんばかりにくましずおを抱きかかえた

「あは、ねぇ、そっくりだよ」

くましずおの頭を撫でて、微笑んでみる

ホッとしたように笑う静雄



最近空気が重くなることが多い

私たちには永遠の時間なんてない
今この一瞬が、着々と時計の針を進めていく


不安に駆られて静雄を抱きしめた

静雄が抱いているぬいぐるみが、私たちの体に空間を作り出す

「私たちに永遠などない」と訴えるように。




トン、と私の肩を突き放す静雄

目尻が熱くなる

「しず…」



ぬいぐるみが床に転げ落ちる


「大丈夫だから

お前がどこに行こうと俺の前から居なくなろうと、俺はお前が好きだ」



そして一言だけ

「愛してる」



小さく、低く、震えそうなか細い声で

そう聞こえた気がした


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