第5章 事故チュー
気恥ずかしくなって、バッ…と顔を逸らす。
すると…。
早く頭を振った為、脳が揺れ…。
「あ…」
グラッ…と身体が傾く。
アカン、転ぶ!倒れる!
大倉の前やのにっ。
カッコ悪いとこなんてみせたない。
「危ないっ」
ドサッ…。
「ったぁ…」
頭を何かにぶつけた。
その何かは、硬いけど柔らかい…落ち着くもの。
「亮ちゃん、大丈夫…チュッ」
へ…?
「っ⁉︎」
庇おうとしてくれた大倉と俺の唇 が、振り向いた拍子に互いの唇同士が重なる。
「ご、ごめっ…亮ちゃん」
けど、すぐにバッと離れる。
「あ、や…」
「だ、大丈夫?」