第5章 事故チュー
ちゃんと、言わへんと…。
俺が飛び出してった理由を。
せやないと、また大倉を傷つけることになりかねへん。
「俺、別に大倉が嫌やから出てったんとちゃうからな?
えと…理由は…その…深く追求せんといて」
こればっかりは、素直に言う訳にはいかへん。
「おん、そんな深く追求せんから気にせんでええよ。
にしても、良かったぁ…」
ホッと胸を撫で下ろす大倉。
「え?」
良かった…?
「嫌われたかと思った」
俺が大倉を嫌うなんて、そんな訳無いやん。
ありえへんって。
「ってな訳で…その、よろしく!大倉」
今晩だけやけど、同室。
「おんっ!
(その笑顔はアカンで…胸が苦しくなる)」
よろしくとは言うたものの、やっぱ無理!
大倉眩し過ぎんねんもん。