第5章 事故チュー
ー錦戸sideー
部屋の前で大きく深呼吸して、気持ちを落ち着かせてから恐る恐る中へ入る。
ガチャッ、パタン…。
大倉…居るかなぁ。
辺りをキョロキョロ見回すと…。
あ、居った!
ベッドで寝とるし…せや、寝顔撮ろ。
こんな機会、滅多にあらへんからなぁ。
ピントを定めて、いざ…。
パシャ。
「ん…」
音に反応してか、フラッシュに反応してなのか身じろぐ大倉。
やっぱり大倉は、カッコエエなぁ…。
寝顔もイケメン!
ジィッ、と見つめていたら大倉の目が開いた。
「あ…」
起こしてもうた。
「え?亮…ちゃん?」
「お、おん」
「あ…」
パッ、と目を逸らす大倉。
多分、出てったことを気にしてやと思う。
「ごめん!大倉」
「え?」
何についての謝罪なのか分からず、キョトンとしているご様子。