第4章 頼れる安田先輩
「さっき聞いたんやけどな?
1番好きな仕草は、笑顔なんやて。
美味しい物食べた時みたいな笑顔って言うとったで」
美味しい物って…大倉らしいなぁ。
「大倉らしいですわぁ」
「仕草って言うてんのに笑顔、か…」
なんだか、心が解れて行く気がした。
大倉は、やっぱり最高やな。
「やから、笑顔で居れば亮にもチャンスはあるんとちゃうん?」
チャンスって…恋人になれるチャンス?
「…おん、頑張ってみる」
少しでも可能性があるのなら。
「そうと決まれば、戻った戻った」
俺の背を押して、ドアへと向かうヤス。
「え?あ …ちょ、ヤス!」
部屋を出ると、無情にも戸は閉められた。
バタンッ。