第4章 頼れる安田先輩
「だって…勝ち目無いやん、好きな人もう居るんやで?」
大倉が好きになるんやから、きっとその人は素敵な人なんや。
そんな人に俺、勝てる筈無いやろ…。
「大丈夫や」
すばるくんが、力強く言うてくれる。
「大丈夫ちゃうて…すばるくん…」
紡ぎ出す声が震える。
「自信持ってぇや、亮ちゃん。
亮ちゃんはイケメンやから、心配せんでもええって」
そういう問題とちゃうやろ…。
「無理やて…」
「…亮、最近いつ本気で笑うた?」
真剣(マジ)なトーンの、ヤス。
いつもの優しい顔やなくて…俺を思う優しい気持ちと励ます強い気持ちが入り混じった目。
そんなヤスに、不覚にも胸が高鳴った。
アカンやん…俺は大倉一途やろ!
自分に喝を入れる。
「な、何?急に」
「大倉な、笑顔が好きなんやて」
「「「え?」」」
笑顔…?