第3章 部屋割り
ー大倉・錦戸sideー
「「………」」
無言が続く静かな部屋に、時を刻む時計の音だけが妙に大きく響く。
き、気まずい…。
「りょ、亮ちゃん…」
思い切って話しかけてみる。
俺やて、このままの気まずい距離感じゃ嫌やから。
「な、何っ?」
話しかけた瞬間、亮ちゃんの肩が大きく震えたけどそんなの今は気にしない。
「楽しみやね?」
精一杯の笑顔で言う。
「っ⁉︎あ、えと…お、おん。
あ…ちょっと出て来る!」
「え?お、おん…」
必死な形相の亮ちゃんを見て、思わず頷いてしまう。
ガチャッ、バタンッ。
慌てて部屋を飛び出す亮ちゃん。